【短】嫌いになんてなれない…


「で?お前、何してんだよ?」


「実は、ちょっと人捜しをしてて…」


「ああ…それでか。

で?誰なんだ?

んなとこでうろちょろされても困るからな。
プライバシーに関わらない程度のことなら答えられるけど…」



翔は、こういうとこは真面目なのだ…



「あ、別にここに通ってる人について聞きたいだけだから…

“海老ヶ瀬”ってオンナ…知ってる?」


「え?海老ヶ瀬?知らねえなあ…あんま見ない苗字だし気づくと思うけど、
てか、それホントにうちの大学の奴か?」



眉を潜める翔を見て、首を傾げる。


知らない?どういうこと?



「え・・・

本当に…知らない?
ここの普通科で私と同じ2回生の女の子…

桜木遼といい感じの子・・・」



付き合ってる子とは言えなかった…

だって、別れてもまだ好きなんだもん…



「いや、俺一応普通科の講師だけど…知らねえよ

それに…桜木遼ってアイツ……「美桜!!」



今…一番聞きたくて、

一番聞きたくない声が……



後ろから私の名前を呼んだ