【短】嫌いになんてなれない…


同棲してるアパートでテレビを見てた時のこと。

バツの悪そうな顔をしながら彼氏、遼が発した一言により平和な休日は一変した。

申し訳なさそうに謝る遼。

浮気、ねえ…



「へー。そう。誰と?」


「え!?・・・同じ大学で同じ学年で同じ普通科の…
え、“海老ヶ瀬さん”…」



まさか私が名前を聞くなんて思ってなかったのか、驚いてる遼。

私は泣いてすがりつくような、
そんな可愛げのある女の子じゃない。


遼から聞いたことない名前……くればやしまい



「ふーん……で?その子となにしたの?

デートした?

手繋いだ?

抱きしめた?

キスした?

好きになったの?

ねえ、何したの!?」



最初は冷静だったはずなのに、気づいたら息が切れるまでに取り乱していた



「み、美桜?落ち着けって…」



落ち着け…?



「は?よくそんな事が言えたね!?

遼が浮気したんでしょ!?

そんな手で私に触らないでっ!

もう…遼とは一緒に暮らせない。




・・・別れよ。」



遼が後ろで何か言っていた気がしたけど、

私はケータイと財布だけ持って家を出た。


行くのは、実家。

というか、友達のいない私には実家以外に行くあてなんてない。