ああ。苗字。

・・・うん!?苗字!?



「ちょっと待って!翔、美咲さんと結婚すんの!?」



聞いてないんだけど!!



「近いうちに挨拶しに行く予定だったんだよ」



なんて、悪びれもなく言う翔に、私の横で意味不明という顔をしてる遼



「でさ~、プロポーズしたあとに美咲が
菊が美しく咲くって…なんか嫌!!
破れた恋って花言葉あるんだよ!?
とか言い出してさ~」



まあその後無理やり納得させたけど。ニヤリと笑いながら言い出す翔を見て冷や汗が流れたのは隣にいる遼も同じだろう



「なんでそんなに気にするかな…
ま、そんな所も可愛いけど」


「それ、凄い分かります!お兄さん!」



そこ乗るの!?遼!!



「だよな~ホント可愛いんだよ~。」


「お兄さんの彼女さんはどんな方なんですか?!」



遼、それを聞くと…



「俺の2つ下でさ~
一緒に暮らしてて、10年前から付き合ってんだけど、こないだなんかさ…エイプリルフールだからって調子に乗ったら泣いちゃってな~
可愛いのなんの…でさ~」



ひたすら彼女の自慢話をし始めた翔に呆れながらも、遼の隣で話を聞く美桜。

このあと遼が美桜の自慢話を延々として、美桜が赤面するのはまた別の話…


    『苗字2』美桜×遼 + 翔 END