*葉菜side*
「今日のライブも盛り上がったなー」
ライブが終わって、みんなとも別れた帰り道。
私はゆっくりと歩きながら、さっきまでの夢の空間に想いをはせた
「いつまでやってんの?」
一瞬、私の頭に響く祐美の声
自然と止まった足
気づけば私は橋の上に居た
(懐かしいな)
小学生の頃、学校までの通学路でよくこの橋をハルと祐美と3人で通った
あの頃は3人一緒で、いつだって私の隣にはハルと祐美が居てくれた
「進学かぁ」
いつの間にか皆んな離れ離れになっていくんだなぁ。
川面を眺めながら、ぼんやりしていた
その時ー
「すみません」
左側から声がした
見ると、そこには大学生くらいのお兄さんが居た
「なんですか?」
私が答える
「あなたが葉菜様で間違いありませんか?」
「え?あ、はい」
どうして私の名前を?と聞く前にお兄さんは名刺を出してきた
「私、Aliveの者なのですが、単刀直入に言わせていただきます。一度本社の方にご足労願えませんか?」
「Alive⁉︎⁉︎Aliveってあのレコード会社の⁉︎」
Aliveは日本一、ニを争う大手レコード会社で、事務所も存在し、そこに所属しているアーティストは大体が売れ売れだ。ちなみにDELIGHTもAlive所属だ。
嘘のような話を持ちかけられて半信半疑な私を見て悟ったのか、お兄さんは言う
「実は、本社のC.Oである夏島が葉菜様に是非一度お目にかかりたいとおっしゃっておりまして。」
お兄さんは真っ直ぐ私を見て言う
「嘘、、、ですよね?」
私はこの数年のバンド活動で売れたくても売れない、鳴かず飛ばずの同志をたくさん目の当たりにしてきた
世の中そんなにうまい話はない
私が疑いの目を向けていると、お兄さんは口元に手を当てて笑った
「、、っ。ははっ。はははは!」
ついに耐えきれなくなったお兄さんは普通に笑い出す
「あの、ふざけてるんですか⁉︎人の気持ち弄ぶなんて最低ですね。失礼します」
私がお兄さんをすり抜けていこうとした瞬間、手首を掴まれ無理矢理振り向かせられた
「そんなに怒んなよ」
突然、タメ口になった彼に驚きかたまっていると
服のポケットに紙を入れられた
「明日の昼12時。そこに書いてある住所に来てもらえる?あ、来る前に電話かけて。俺の携帯番号も書いてあるから、じゃ。またね、葉菜様」
早言葉のように用件だけ話すと彼は手をヒラヒラさせながら去っていった
「なんだよ、、、これ。」
まだ状況がつかめていない私は終始パニックになりながらも、とりあえず帰路についたのだった。
「今日のライブも盛り上がったなー」
ライブが終わって、みんなとも別れた帰り道。
私はゆっくりと歩きながら、さっきまでの夢の空間に想いをはせた
「いつまでやってんの?」
一瞬、私の頭に響く祐美の声
自然と止まった足
気づけば私は橋の上に居た
(懐かしいな)
小学生の頃、学校までの通学路でよくこの橋をハルと祐美と3人で通った
あの頃は3人一緒で、いつだって私の隣にはハルと祐美が居てくれた
「進学かぁ」
いつの間にか皆んな離れ離れになっていくんだなぁ。
川面を眺めながら、ぼんやりしていた
その時ー
「すみません」
左側から声がした
見ると、そこには大学生くらいのお兄さんが居た
「なんですか?」
私が答える
「あなたが葉菜様で間違いありませんか?」
「え?あ、はい」
どうして私の名前を?と聞く前にお兄さんは名刺を出してきた
「私、Aliveの者なのですが、単刀直入に言わせていただきます。一度本社の方にご足労願えませんか?」
「Alive⁉︎⁉︎Aliveってあのレコード会社の⁉︎」
Aliveは日本一、ニを争う大手レコード会社で、事務所も存在し、そこに所属しているアーティストは大体が売れ売れだ。ちなみにDELIGHTもAlive所属だ。
嘘のような話を持ちかけられて半信半疑な私を見て悟ったのか、お兄さんは言う
「実は、本社のC.Oである夏島が葉菜様に是非一度お目にかかりたいとおっしゃっておりまして。」
お兄さんは真っ直ぐ私を見て言う
「嘘、、、ですよね?」
私はこの数年のバンド活動で売れたくても売れない、鳴かず飛ばずの同志をたくさん目の当たりにしてきた
世の中そんなにうまい話はない
私が疑いの目を向けていると、お兄さんは口元に手を当てて笑った
「、、っ。ははっ。はははは!」
ついに耐えきれなくなったお兄さんは普通に笑い出す
「あの、ふざけてるんですか⁉︎人の気持ち弄ぶなんて最低ですね。失礼します」
私がお兄さんをすり抜けていこうとした瞬間、手首を掴まれ無理矢理振り向かせられた
「そんなに怒んなよ」
突然、タメ口になった彼に驚きかたまっていると
服のポケットに紙を入れられた
「明日の昼12時。そこに書いてある住所に来てもらえる?あ、来る前に電話かけて。俺の携帯番号も書いてあるから、じゃ。またね、葉菜様」
早言葉のように用件だけ話すと彼は手をヒラヒラさせながら去っていった
「なんだよ、、、これ。」
まだ状況がつかめていない私は終始パニックになりながらも、とりあえず帰路についたのだった。
