BLACKOUT episode.Ⅰ 偽善の仮面



 正直言ってなってない。犯罪を取り締まる警察という組織の人間が罪を犯し警察に逮捕される。世の中こんなことばかり起きている気がする。いつからだろう。わからない。朝のニュースを見ても夜のニュースを見ても、絶えずどこかで人は殺され、物は盗まれ破壊され、そして罪人が裁かれる。内容は違えど、同じようなニュースを聴かされ、ノイローゼになりそうだ。その中で目を引くのが、警察官による犯罪。特にここ数年間は一週間あれば二度三度はそれが報道される。この国の正義はなくなってしまったのだ。

「だが今日からはそうはいかない。私が創り上げたJ.P.Oが始動する」

 J.P.Oとは、Japan Public Orderの略。この男、久我山信之が新たに組織した治安維持組織を取り締まる第三の治安維持組織。久我山は国防長官補佐をしており、兼ねてから政党第一党の国民党の代表・鶴ヶ谷圭介と構想を練っていたJ.P.Oを実現し、今日から始動するのだ。
 新しい日本の始まりを身体が震えるほど待ちわびていた久我山だったが、いざ当日になると極端に冷静になっていた。秘書の竹本均が運転する、愛車のレクサスの後部座席で足を組みながら警視庁に着くのを心待ちにしていた。