復讐と悲しみ【完】


「もー。啓太君。そんな人ほっといてどこか行こうよ〜」

甘えた声を出すのはクラスメート。

「分かったよ。ちょっと待ってね」

啓太はニコッと微笑んだ。

何と言う王子様スマイル。


キャーっと女子が騒いだ。


実は啓太は学校一イケメンの男子。

私達一年から三年まで人気なのだ。


「さくら、ちょっと時間ある?」

「今から?授業もうすぐだよ?」

「いや、昼休み。」

「女子の予約は?」

「いーから、時間あるの?」

「…あるけど…」

女子達は私と啓太を交互に見ていた。

「…じゃあ、屋上で」

そう言い終わったタイミングでチャイムが鳴った。