復讐と悲しみ【完】



その時、ガウッと吠えた声が聞こえて、俺に襲いかかろうとしたゾンビに噛み付いた。




「…お前は…」









ゾンビに噛み付いたのは…俺の復讐の相手…。










「9尾…」


「久しゅうのう…啓太…。見ない間にでかくなったのう」


9尾はチラと俺を見た。

「何故…助けた!」

「そなたは妾を殺しに来たのじゃろう?だったらここで死なれては困るが故」

「…ちっ」

「ふん、しばらくそこにおれ」

「何でだよ!」

「このゾンビ等は妾しか殺れぬ。そなたの持つ清光剣では歯が立たぬぞ」


うぐっと俺は詰まった。


それを見た9尾は満足そうにフッと笑ってゾンビの群れに向かった。