「…啓太。ごめんね」


私は夢を見ているであろう啓太にポツリと呟いた。


そして私は、ソファーの前にあるテーブルに…手紙を置いた。






ポツ…と雫が出た。


「…ッ…」


声を押し殺して泣いた。



「啓太…ッ…。ありがとう…」


そして私は…玄関の扉に手をかけ、後ろを見た。



家全体を脳に焼き付けるように…。










「…さようなら…妾の家…。さようなら…啓太」


ドアが開き、さくらは暗闇に紛れて消えていった…。