「…今可愛いとか思ったろ?」
ギクリ。
「…まっさか。私が入って資料取ってくるからさ…待ってなよ」
「つまんね、何で入れねーんだよ」
「…妖怪は…人間を嫌う」
「あ?」
いきなり真剣を帯びた私に啓太は不機嫌だ。
「人間も…また妖怪を嫌う」
「……」
「…あんたは…これから先復讐のみで生きるの?」
「あいつを殺れる(ヤレル)んだったら…こんな命惜しくもないね」
「……残酷な人…。それだけしか生きる道無いなんて」
「ヤケに突っかかってんじゃん?何?俺に死んで欲しくねぇの?」
本音は死んで欲しくない。
親から貰った命。
大切にして欲しいから。
啓太のお父さんが死に間際に言った言葉。
『啓太には…復讐のみで…生きて欲しくない…。真っ白で…過ごして欲しい…。ただ生きて欲しい…それだけだ…』
啓太は復讐のみで生きてる。
どうしたら良いのーーー。