「はい、出来たよ」
「あ、ありがとう」
炒飯が目の前に置かれた。
具材は玉ねぎ、卵、ピーマン、人参と…栄養バランス良くて、見た目もよかった。
それを俺はあっという間に平らげた。
「…啓太」
「ん?」
夕飯終わってくつろいでいたらさくらから話しかけてきた。
「………ね」
へ?
小さくて聞き取れなかった。
「ごめん、もう一回?」
「言わないよ。何でもない」
何でもないと言われて傷ついた俺。
何で?
何で?
気付きたくもない。
何で君は悲しげな顔をするの--。
これが…君への初恋だったのに気付くのは後ほどだった…。
啓太sideend

