「遅刻しましたーって言えば良いんじゃね?」
「誰もが啓太みたいに能天気じゃないの」
「…悪かったな、能天気で」
サラリと軽く言う啓太に冷たくあしらう私。
こーゆーとこ、自分じゃ本当に可愛くないなぁ。
啓太に似合わない。
…って何考えてんのっ!!私は啓太の敵!!
「…くら?」
「?」
「さくら、聞いてなかっただろ?」
ギロと睨む啓太。
「…何て言ったわけ?」
「だから!半妖なら一緒に飛んで行けるだろ!」
「…悪いが、そんなに飛行できない」
「はっ?」
「……普通の妖怪なら…楽だが…半妖は…」
そう言うと私は目を伏せた。
普通の妖怪ならば、啓太を担いで、飛行出来ることは可だ。
だが、私は半妖。半分の妖怪。
つまり飛行出来ても、私だけしか出来ないのだ。
啓太を担いで、飛行は不可。
そのことが分かったのか啓太は黙った。