復讐と悲しみ【完】


『さ、さくらさんかな…?』

男性の声が響く。


「どちら様…?」


妖狐のままで答える。


チラと上に視線を向けた男らしきゾンビ。


『…この息子の父親だ』

そう言った。



ふーん、自我あるんだ。

ほぼのゾンビは自我ないのに。


「その子供の父親が妾(ワラワ)に何の用じゃ?」

『俺と…横にいる妻を殺してくれ』


一瞬耳を疑った。