虹色→ジゲン

「ご馳走さま!ママ、夏喜、それじゃあ行ってきます。
さて今日は良い天気に、良い風だ。
風よ、優雅に目的地まで運んでおくれ。」


パパはそう言って職場である大学まで少し距離があるため、いつも言ってる言葉を口ずさみ行っちゃった。

ママはさっき言った通り、重力を操る自然能力、パパの力は自然界の中でも高位な能力、風を操る能力なのだ。



「はぁ~、いつ見てもパパが使う風は優雅で素敵だわ!」


わたしもそう思った。

そんなママとパパが大好きなんだ!

はぁ~、わたしはどんな能力があるのかなぁ~、楽しみだ!





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月日は流れ、夏喜は元気で活発な女の子へと成長し、この春から高校一年生になり、憧れだったセーラー服を着ていざ、明日から高校生ライフ!


「ただいま~、」


あ、パパが帰ってきた!

「おかえり、パパ!」

「おー、夏喜ただいま!
おっ、それ制服かぁ~、よく似合ってるぞ!おっとその前に夏喜にプレゼントがあるんだった、さてなんでしょう?」

パパはニコニコしている。



わたしはおもむろに、パパの顔をじっと見る。


「もし、夏喜が当てられたら、パパが風で星が綺麗な夜空まで散歩だ!」


「え!!ほんとに!?じゃあ、ちょっと待ってて、当ててみせるから!」


パパは笑った。



夏喜は全細胞を脳に集中させた。






……………!?!?ッ






キーーーーーン……!


夏喜は生後6ヶ月過ぎから今まで、自然界能力が未だにないが、不思議と自分の周りに起ころうとすることや、したくてもしてはいけない行動を感じとる力があった。



が、今はっきりパパに関しての映像が頭に入り込み、まるで自分がタイムリープし、パパがいた光景までパパの記憶を巻き戻す。

周りの音、匂い全てを今パパと共感している。



今パパは携帯ショップにいる。

そして、わたしが前から欲しがってたキティちゃんのスマホを手に取り購入していた。





「おい!!夏喜!!大丈夫か!?」

パパが心配そうにわたしを見る。


「大丈夫だよ、ちょっと集中しすぎただけだから!それよりパパ!夏喜分かっちゃったぁ~♪」

夏喜はニコリとしてこう言った。




「夏喜の欲しがってたキティちゃんのスマホ!!」