虹色→ジゲン

「そうだね、それで全神経、全細胞を脳一点に集中させるとわたし自身の存在がまるでタイムリープしたみたいにいつ、何時にどこでなにをしてるのかわたしがそこにいたかのようにわかるの。今こうやってみんなと一緒に教室でしゃべってるようにね」


夏喜はたんたんと話す。


「わたしは予知みたいなものだってさっきも言ったけど、それが違うってわかったのも全てわたしの中にきっと今もいる女の人が伝えてくれたの」


皆は夏喜の話しを頷きながら真剣に聞いている。



「その女の人はわたしの前世でわたしと同じ力を持つ者で名前はイブって言ってた。イブが言うには、わたしはイブであってイブじゃない者。でも同じ力を持つイブの転生者だって言ってた。わたしの力は自然界能力じゃなくて、時と七つの次元を持つ力らしいの」




「「「…………………」」」

少し皆は黙って何か考えてる様子だった。





最初に口を開いたのは直也だった。

「そうか、なら合点がいくな。もし夏喜の言う通り時と次元の力なら自然界能力がなくても不思議じゃない。その力は自然界能力の枠を逸脱しすぎてる。それに時や次元の力なら先を見通すことも可能だ。もっとすごいことは七つの次元だ。一つなら分かる。だが七つだ!夏喜はおそらく七つの未来を同時に見通せることができるのだろう」


直也は実に興味深いとつぶやきながら初めて笑顔を見せた。


「夏喜、よかったら何かまた分かったら俺におしえてくれないか?仮説をたて、立証してみたいんだ」


直也はすごく頭脳明晰なのだ。
どうやらそんな夏喜に興味を持ったらしい。



「うん、いいよ、そのかわり何かわかったらわたしにも結果教えてね!」


「分かったよ」

直也は笑顔でそう返した。



「フンッ!」
なぜか、悠人はふてくされてた。

どうしたんだろ悠人?おかしな悠人。


そんな様子を見て遥はクスッと笑った。

???
鈍感な夏喜にはそれがわからなかった。