学校についた私は、窓際で立って本を読んでいる柚子を見つけて何も言わずに抱きついた。


安心する匂いに包まれて、こらえていた涙が一気に溢れ出す。


状況を察してくれたのか、柚子はずっと背中をトントンとなだめてくれていた。



「ひまり…?」


後ろから聞こえる奈津の声。


いつもだったらこんなとこ見られたくないけど、今はそれどころじゃなくて。


小さい頃からあまり泣いたことのない私は自分は強いんだと思っていたけど、違った。


ただ、大きなショックを受けてこなかっただけなんだ。



失恋って、こんなに痛くて、悲しくて、心がぐしゃぐしゃになるんだ――