御予約ありがとうございます。

この日の午後。

いつもは寝ているはずの五限目の数学。僕はヒデの言ったことを考えていた。

「幼馴染みは幸せなこと。」

ホントにそうだろうか…

僕は今まで、美紅を彼女にしたいとか、そんなふうに思ったことがなかった。

それは嘘や見栄とかじゃない。

本心だ。

小さい頃からずっと一緒。横にいて当たり前。僕にとっては家族に近い存在だった。

おそらく、美紅にとっても同じことだろうと思う。

ヒデの言った「幸せなこと」

それは、美紅といて居心地がよかったり、この先どんな関係になろうが、僕の近くにいてくれること…そういうものだろうと思った。

僕はどうかというと…。

「幼馴染みは幸せ?」

いやいや。

「ずるい」んじゃないだろうか。

彼女でもないのに遊ぶ。彼女でもないのに一緒にご飯。

「彼女でもないのに―」

この言葉が一番合いそうだ。