御予約ありがとうございます。

「なんだよ?」

グラスを拭きながら僕らを見る哲兄。

「なーにニヤニヤしてんのよ哲兄!?」

確かに…顔が少し緩い気がする。

「今日はもう終わりだ。ほら、ガキは帰った帰った。」

「なんでよ?まだ七時前じゃない!哲兄、私コーヒー。」

美紅はカウンターに座った。

「お前な~…」

「イイから。哲兄早く!」

哲兄も美紅に押し負けたようだ。

「たくっ…わかったよ。ほれ。」

哲兄は美紅の前に缶コーヒーを置いた。

でも、美紅は哲兄の顔をジッと見ていた。

「だから…なんだよ?」

「結衣さんにはグラスで出すのに私には缶なんだ~?」

やっぱり…言うと思った。

結衣さんの座っていたカウンターには、哲兄の店では見たことのないグラスが一つ置いてあった。

「よく見てんなオメーは。わかったよ…ちょっと待ってろ。」

そう言うと、哲兄はカウンターの奥に入っていった。

「ははっ。やったね尋!今日は缶じゃないよ!!」

美紅、今日一の笑顔だ。