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哲兄は結婚していない。彼女はいるのかな?

いや…いねーだろうな…

東京の大学を卒業して五年。大学の名を聞けば、誰でも知っているほど有名。就職となると大手の大企業ばかりだろう。

だけど、哲兄の卒業と同時に亡くなったオッチャン(父親)の後を継いで、この竹島商店を営業している。

「ひーろ!」

僕はハッとした。

「な、なんだよ?」

「ボーッとして、何考えてたのよ?」

美紅は缶コーヒーを飲んでいた。

飲み過ぎだろ…

「何もねーよ。哲兄さ…」

「ん?なんだ?」

哲兄は閉店の準備を始めていた。テーブルの上に椅子をあげて、掃除をしている。

「哲兄はさ、小さい頃からの友達とかいんの?」

「小さい頃からの友達?」

「うん。小学校とかからのさ。」

哲兄は少し考えていた。

「ん~…まぁ、いねーことはねーかな。」

相変わらずあいまいな言い方だ。

「じゃぁさ、彼女はいないとして、好きな人とかは?」

「あのな、なんでいない前提なんだよ。まぁ、いねーけど。」

やっぱいないんじゃん。

彼女。