「乃ノ?おーい、乃ノー?」 ハッ と思い顔を上げると、梓美さんが顔の前で手を振っていた。 「あっごめん!考え事してた!」 「乃ノが考え事?なんかあったの?」 梓美さんは、いつもクールなのに、人の変化に敏感で、本当はとてもとても優しい人なんだ。 毎日一緒にいて、気づいた。 今も、本当に心配してくれている。 少し眉間に皺が寄り、真剣な眼差しでこちらをみてくる。 これは、梓美さんが本当に誰かを心配してる顔だ。