夢の欠片







「そう?なら良かった」





本当に嬉しそうな顔をした梓美さんに、ズキズキと心が痛む。






「あ、そういや今日って体育なんだっけ?」







まだ痛む心を隠すように、話題を変える。





「えーっと、部活体験ね。今日は…女子が体育館競技で、バレーとバドと卓球とバスケの選択」










あたし達が通っている【旭ヶ丘高校】は、一年生の間は勉強に力を入れるため

『数学課』『国語課』『保健課』
『家庭課』『技術課』

の5つの課にわかれ、それぞれの学習を放課後に行っている。


その名も課活動。








その課活動があるせいで、部活に入れるのは二年生からなのだ。







「おー!ありがとう。梓美さんはもちろんバスケだよね?」



「んー…そうね。他のスポーツできないし」





絶対この人、自分がバスケ上手すぎちゃうことに気づいてないな、オイ。







「だよねー。あたし、何にしようかな…」





スポーツ、全般できないあたし。


勉強もできないし、できることと言えば