――4月11日

狂が出てきてしまった。
しかも、私がご飯を食べたり、お風呂に入ってたりと、ケータイを手放している時に出てきたらしく、
気づいた時にはすでに、狂になってから1時間経っていた。

私は急いでキョウカに狂が出ている事を報告し、
カナタのケータイにメールを入れてみた。

『カナタ大丈夫?』
『君はカナタくんの彼女のリョウガだねw
僕は狂w
残念ながら、今カナタくんは眠ってるよw』
『狂のことは聞いてるよ
今何しようとしているの?』
『そんなこと君に言ってどうするの?w
僕は僕のしたい事をしたいようにするだけだよw』
『したい事?』
『そうwしたい事w』

カナタの目が覚めるまでなるべく時間を稼ぐために、狂に質問することにした。

『狂は何をすることが楽しいと思うの?』
『なんだろうねw』
『じゃあ、何をすることが好き?』
『探りの会話ならしないよw』
『違うよ
ただ狂ののことが知りたいだけだよ』
『僕のことを知ってどうなるのさw』
『どうにもならないかな』
『あっそw
まあ、僕は自分の事話すつもりないけどねw』
『狂はうちに対して何か思う事ある?』
『僕は生き物には興味ないからw
僕が興味あるのは死だけだよw
だから、君の事なんて興味ないw
まあ、君が死ねば少しは興味が湧くかもねw』

(・・・あれ?答えてくれてる!
この調子で聞いてけば色々わかるかも!)

『なんでそんなに死に興味あるの?』
『それを君に言ってどうなるのさw』

(やっぱり、だめか・・・)

『狂もカナタとか九喇嘛みたいに表に出てないときは眠ってるの?』
『僕は寝ていても、カナタくんと九喇嘛くんとは繋がっているw
二人が見た景色、二人がした会話は
僕の記憶でもあるw』

(なるほど!)

『じゃあ、僕はやりたい事があるからw
ばいばいw』

死にしか興味がない狂がやりたい事といえば
1つしかない。

死ぬ事。

『まって!』
『なに?
僕にまだ用あんの?』

狂が笑わなくなった。