私、上原怜衣【ウエハラレイ】

中学2年!


…正直言って、私は可愛い方だと思う。



「よ、上原」

私に声をかけてきたのは同じクラスの黒崎波斗【クロサキナミト】

小学校の3年生からずーーーっと同じクラス。なんでだろーね。


『おはよ。クロちゃん。』


「だからクロちゃんやめろよ」

なんでかな。可愛いと思うんだけどなぁ


「その前にお前さ、そのセンスどーにかしろよ」


『なんの?』


「ネーミングセ、ン、ス!!!」


『はぁっ?!』


どーゆー意味?!!


『うっさいな!
そーゆー自分こそファッションセンスゼロのくせによく言うよね!!』

そう。黒崎は学年トップの超イケメン。

イケメンだったら私服は当然かっこいい!
……というのがお決まりのパターンだが世の中そんな都合のいいことばかりじゃないみたい。

ファッションセンスがまるでゼロ。
この前なんか「突風」って書いてあるTシャツ着てた。


「俺はいいの。イケメンだから」


うっわ何この人自覚系ですか。

…まぁ私も自覚系だけど。


「あぁ、んでさ、沙耶が今度家にもう1回連れて来いってうるせぇんだよ」


『えっ沙耶ちゃん?!』

沙耶ちゃんというのは黒崎の妹。

前、黒崎の家に用があったときに会ったの。

黒崎とは違って可愛いんだから!!!!

『沙耶ちゃんが?嬉しいなぁ』


「んなデレデレすんなよ気持ち悪りぃ」


『気持ち悪いってなに?!
私のこと?!』


「お前以外に誰がいんだよばーか」

なっ!!!

この上原怜衣様になんてことを!


「あ、やべそろそろチャイムなるぞ」



『えっ嘘!』


「いいから早く上靴履けよ」


『あんた早すぎでしょ!』

ほんとにシュッスポッて感じで上靴履いてる。


「置いてくぞおせーんだよ。
お前はゾウか」

はぁ?!ゾウ?!


『違うし!』

でも こんな黒崎も優しいの。


今だってほら、こんなこと言ってるけど なんだかんだ言って待ってくれてる。

私のカバンも持って。




ーーもう…これ以上

アナタに 夢中にさせないでください。