その部屋は、社長室とは程遠いものだった。 絵や皿などの装飾品はもとより、ロッカーやソファー、机などといった家具までもが何一つないのだった。 唯一あるものといえば、豪華な絨毯とシャンデリア… そして床にぽっかりと空いた直径2mほどの底の見えない、深い深い真っ白い穴だけだった。 「社長室でございます。」 男は平然とマイロ氏の質問に答えた。 「こんなところが社長室なわけないだろう!? 私を馬鹿にしているのか!?」