「なに、食べたいの?」
「え?」
「さっきからこれ、見てるからさ」
『これ』というのは焼き鳥のこと。
どうやら色々考えてるうちに焼き鳥を凝視していたみたい。
「食べたいなら食べたいって言えばいいのに」
と一本渡しながら言ってくる隼田くん。
いやいやいや!
「た、食べたいとか思ってないしっ」
「嘘つけー。ほらどーぞ?」
わざとらしい笑い方をしながらズイっと差し出してくる。
もーっ!ほんとに違うんだってばあ!
ほらほら、とさらに近づけてくる。
「ほんとに思ってないのにぃ……」
「って持ってんじゃん」
あ。
まじ馬鹿ーー!あたし馬鹿!なんで持っちゃってんのよーーっ!
いや、これはあたしの意思じゃないからねっ。
あたしの手がいけないんだよ。
今自分の手を叩きたいところだけど隼田くんの前では出来ないからね。
想像上で叩いたとして。
「じゃ、一口……いただきます」
んー!おいしー!
この塩ダレと七味唐辛子、合うね〜。
って
「オッサンかっ」



