《じゃ、決まりな!今から来て》
──プツ。ツーツー……。
き、切られちゃったよ。
まだ、返事もしてないのにー。
………。
ちょ、ちょっと待って。
今の自分の状態を確認した。
スウェットに寝起きのままのボサボサ頭、ですね……はい。
や、ヤバイじゃないですかーー!
あたしは急いで服に着替え、髪の毛も直し、リュックに数学一式を入れた。
よ、よし!
あたしは全身鏡の前に立ち、上から下まで確認する。
ねずみのキャラクターがプリントされているTシャツに、短パン。
もちろん、短パンの下には黒の薄手のレギンスを履いてます。
太い脚を生で出すわけにはいかないからね。
そしてネックレスをつけた。リボンのチャームが輝いてる。
なんでだろう。
前まではオシャレに興味なかったのに、今は少しでも女の子になりたいって思う自分がいる。
それはキミに恋してるから?
でも、隣の家に行くだけなのにネックレスなんてしてオシャレするなんて意味ないような……。
ま、いっか。
わっ、なんか緊張してきちゃった。
だ、大丈夫だよ!ふたりっきりとかじゃないし!
うん!大丈夫!
と自分に言い聞かせ、最後にチャームポイントの足首に目をやってから部屋を出た。
「あ、舞美どこ行くの?そんな格好して」
棒アイスを食べながら聞いてくる光樹。
それ、何個目だよ!と心の中で突っ込んだ。
「あー……と、友だちんとこ行ってくる。ってお母さんにも言っといて」
「んー、分かった。行ってらっしゃーい」
あたしは玄関を出た。
ふぅー。うまく誤魔化せた。
友だちっていっても、男の子だけどね。
……友だち、か。
ちょっと胸がチクっとしたけど気にしない。
向かいのドアの前に立ち、深呼吸する。
恐る恐るベルに手を当てて押した。



