翌朝、俺はいつもよりは10分早めに家を出た。
通常通りの時刻からHRが始まるにもかかわらず。


眠い目を擦って、あくびまでさせて歩いていると目の先に木下と彼氏が見えた。



やっぱり、上手くいってんじゃん。



心の中で悪態をつく。
どこかで仲が悪くあって欲しいと思っていたところもあったから。

でもそれは叶わなかったみたいだ。



だって、手繋いでるし。ニコニコしてるし!

ムカつく気持ちを抑えて、徐々に近づいて二人を抜かした。





「──っ!」


いま、気のせいかもしれないけど。
一瞬目が合った気がした。


抜かす時にチラッと盗み見した。

まさか目が合うとは思わなかったから。




学校に着いてもこのドキドキは治まらなかった。


そして気掛かりな人物を探しに向かった。