「ちょ、離してよっ」
「やだ」
やだ、って。
なにその言い方っ!なにその顔っ!!
思わずキュンってなちゃったし!か、かわいーーっ!
心の中ではこんなにキュンキュン満載だけど、顔はたぶん引きつってるよね?
「なに、その顔」
ほらやっぱり。
──ギュッ。
「はなふぇ……!」
隼田くんにほっぺをつままれる事態に。そのせいでうまく喋れないし。
……こんなこと前にもあったなー。
懐かしいな。
ほっぺをつままれながらそんな事を思い返していると
「ヘンな顔ー!」
と隼田くんは吹き出しながら笑った。
そして、
「懐かしいな、こんなこと前にもあったよな」
って言ったんだ。
隼田くんも同じこと思ってるって分かって顔が緩むのが分かる。
隼田くんはあたしをみて優しく微笑んで手を握ってきた。
「なあ、ちょっと歩かね?」
怒ってた理由聞きたいし、と続けて言って歩き出した。
……もう過去形になってるし。まだ怒ってるんだけどな〜。
ふふふっ。
でももういいやって思ってる自分がいる。
正直に話せたらいいな。
でも恥ずかしい。
『嫉妬』だなんて。
隼田くんの手の温もりを感じながらそう思った。



