…不思議と痛みがこない。


あれ…


目を開いて見ると、私は田口くんの腕の中にいた。




「気をつけろよ、俺がいなかったら骨の一本や二本折れてたかもしんねーからな! 」


はっと我に帰る。

私、田口くんに受け止めてもらったんだ


「あ、ありがとう。今度から気をつけるね…」


私は慌ててお礼を言った。


「これだから一ノ瀬はほっとけないんだ...」



「ん?田口くんなんかいった?」


聞こえなかった私は聞き返した。


「なんでもねーよ!ほらいくぞ!」


なぜかそう言ってかけて行ってしまった。


初めてまともに話した田口くん。


人気の理由が少しわかったきがしたよ。


田口くんはみんなに優しい、だからみんなに好かれるんだね。