「田口くん!」
そこにいたのはうちのクラスのムードメーカーであり百花いわく渉くんの次にかっこいい田口涼太くんだった。
なぜ彼がここにいるんだろう?
そんなことを思っていると田口くんが口を開いた。
「ここ気持ちいいよな。 一ノ瀬もそう思うだろ。」
そういってにっこり笑った。
確かにかっこいい。
ほうほう。なかなかモテそうなイケメンくんではないか笑笑
百花の言ってたことがわかった気がした。
「ここにくると嫌なことも全部忘れられる気がするんだ。 俺の好きな場所なんだ。」
「私もこの屋上好きだな。 なんか空っぽになれる。」
ここにくれば城谷くんのことも忘れられる気がした。
そうでもしないといつでも頭の片隅にあるっていう自分が強くなるぐらいに。
キーンコーンカーンコーン
授業の始まるチャイムがなってしまった。
私と田口くんは急いで教室に戻ろうと階段を駆け下りた。
屋上からの階段は普段使われないせいかなかなか急で気をつけていないとこけてしまいそうだ。
あっ!危ない!
そう思った時にはもう遅かった。
自分の視界がぐらっと揺れて怖くて目をつぶった。
