週に一回土曜日の日本語補習校は私の唯一の、居場所だ。

うちの近辺に住んでいる日本人が毎週土曜日に通う、日本でやる一週間の内容を1日でやり、日本の勉強に遅れないようにする学校だ。

わたしみたいに将来的に帰国する予定があるものとしてはありがたい存在である。

それに何より、日本語を話す仲間がいると本当に安心する。

「美春!おはよ!!」

今一番仲の良い村尾百花がやってきた。

百花はアメリカに私とちょうど同じ時に来た仲間だ。

現地校は違うけど、一番の理解者であり相談相手。


私と違うところは彼氏がいるかどうか。

百花には”大谷 渉くん”という彼氏がこの日本語補習校のおんなじくらすにいる。

ほんと仲が良くて羨ましい。

それに比べて私は未練たらたらッて感じだよね、、、

最近は、百花と渉くんと渉くんの友達徹(とおる)くんと四人でいることが多くなった。

この四人でいると本当に楽しいし気が楽だ。

アメリカに来て失ったものもあったけど、大事な仲間と出会うことができた。

でも私はまだ戻りたいという思いが強い。

二年前に戻ることができたら私はなにをするだろう?


「ちょっと美春!またあの人のこと考えてるの? もういい加減忘れて新しい恋をしなよ。近くにいい人がいるでしょ!」


百花の言うとおりいい人はいる。

アメリカ人はアメリカ人なりの良さがあるし、ここにいる日本人はみんないい人だ。

でもどうしてかそんな気分にはなれない。




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「美春、夏に日本に一時帰国できることになったぞ!」