「私だって、結芽には幸せになってほしい。そのためには、やっぱり先生の事はいつか吹っ切らなきゃいけないと思う。そりゃあ、うまくいってほしいってずっと願ってたけどさ」

「・・・わかってる」

「うん。結婚ってなると、なかなかさ入り込む隙なんてないんじゃないかな?」

「入り込もうなんて考えてない。辛いけど、春兄を困らせたくないから」




自分の気持ちを押し付けるつもりなんてないし。
今まで、ただ見てるだけで側にいられるだけでいいって思ったのは私なんだもん。
行動しなかった私のせい。

だから、今こんなに辛くて苦しいんだ。
私は諦めなきゃいけない。




「でも、私。結芽は大丈夫な気がするよ」

「え?」

「結芽が泣くんだから、私てっきり先生のことで泣いてるんだと思ってた」

「あ・・・」




そういえば、臣の名前を出したらすごく驚いてた。
それに、先生と何かあったのかって聞かれたんだ。




「それって、臣くんの存在が結芽の中で少しでも大きくなったってことじゃない?」

「え?」

「どうでもいいなら、そんな風に悩まないんじゃないかな?」




私が・・・?
私の中に、臣の存在が・・・?