「臣・・・?」




それが気になって、声をかけるとハッとしたように臣の視線が私に向いた。




「あ、ごめん。なんでもないよ」




いつもの臣の表情に戻る。
どうしたの?




「なんだ、結芽。彼氏出来たのか?」




春兄の声が弾む。





「ちがっ」

「そうでーす!僕、結芽ちゃんの彼氏です。高城先生ですよね!」

「え・・・?」




否定しようとした私を制して、臣が高らかにそう宣言する。




「ああ、うちの生徒か?」

「はい。僕、1年なんで先生とは関わりないですけど」





臣はいつものおちゃらけたトーンで春兄と会話を続けた。
どうして・・・?