座って深呼吸をしていたらだいぶ落ち着いてきた。
臣はまだ帰ってこない。
見た限り近くに自販機も販売車もなかったし、だいぶ先まで行ってくれているんだろうか。


なんか、ほんと・・・いい奴だよね。
それがどうして私なんだろう?



何度考えてもわからない。




「あれ、君ひとり?」




ベンチの背もたれにグッともたれて座っていた私の横から聞こえてきた声。
何気なしに見上げると、茶髪のちゃらちゃらしたような男達がにやけた表情で立っていた。




「なに、一人なの?」

「俺たちと一緒に遊ぼうぜ?」




なんなの・・・。
私は怪訝な顔で男たちを睨む。




「そんな顔しないで、ほらいこうよ」




男の一人が私の腕を掴み立ち上がらせる。