「どしたの?結芽ちゃんが呼び出してくれるなんて!携帯以来じゃんか」



授業の休み時間に臣を訪ねると予想通りの反応を示す。
お昼だと志保がいるからなんとなく切り出しにくいと思ってこうしてやってきたわけだけど・・・。

これはこれで切り出しにくいかもしれない。



というか、臣はどうしてそんな普通なの?
私はあんな泣き顔見られて気まずいのに。




「昨日は・・・ありがとう」

「ああ、ううん。全然いいよ」



明るくして気にさせまいとしているのか?
いや、もともとの性格なのか・・・。




「なんか、仮作るの嫌だからさ・・・。なんかお礼させて」

「お礼?」

「なんでもいい・・・。お弁当作れって言ったら作ってくるし」




悔しいけど、臣に助けられたのは事実だから。
一度だけ言うことを聞く、そう決めた。