この人は、私の事を知っている。
春兄に聞いたの?
ねぇ、そうなの?



「俺な、みゆと結婚しようと思ってる」





ズシンと胸に重くのしかかる言葉。
息が苦しくなる。




「1ヶ月くらい前4月の頭にプロポーズをしてOKをもらったんだ。結芽には直接言いたくてな」

「そ、か・・・」

「みゆにも会わせたかったし・・・」




言葉が刃のように私の心を切り裂いていく。
いつかこんな日が来るかもって、思わなかったわけじゃない。

でも、まだ先であってほしいと願ってた。



そして、私に振り向いてほしいって気持ちは捨ててなかったんだよ。





「そっか・・・、よかったね、春兄」

「ああ」





幸せそうな顔を見て、私なにも言えることなくなっちゃったよ。