今日は、二人じゃなかったの?
久しぶりに二人で会えるんじゃなかったの?




「春兄・・・?」

「突然呼び出して悪かったな。まぁ、座って」

「う、ん・・・」




チラチラと隣の女の人を気にしながら春兄の前の席に座った。
その女の人は、肩くらいのウエーブがかったふんわりとした栗色の髪の、優しそうな瞳の女の人だった。


大人の女の人って感じ。




「ずっと、言おうって思ってたんだけどな。でも、この機会にちゃんと話そうと思って」



春兄が笑顔で切り出す。
やめて。
聞きたくない・・・。


聞きたく、ない・・・。




「この人は、白石みゆさん。年は23歳」

「初めまして、結芽ちゃん」




みゆさんというその人はにっこりとほほ笑んだ。