春兄は私が高校生になって特に、あまりうちにも来てくれなくなった。
年頃の女の子の家に行くのはよくないだろうって気遣いだろうけど、私はとっても寂しかった。

私は春兄が好きだったから。
だから、学校で会えるとすごく嬉しかったし、3年で担任になったときには本当に夢みたいだった。




私の願いが一つずつ叶っていっているみたいで・・・。





わかってたのに。
私が望むものは何一つ手に入らないって・・・。





「え・・・?」




待ち合わせのカフェ。
そこにはもう春兄が席を取って座っていた。
でも、春兄だけじゃない。


春兄の隣に、綺麗な女の人。
春兄の前じゃない、隣に。





誰・・・?