「あ、結芽ちゃーん!」 私の姿を見つけ麻生くんは嬉しそうに手を振った。 私は、戸惑って目をそらす。 「手、振ってあげないの?」 「なんで私が」 「見てたくせに」 「それは、たまたま・・・」 クスクス笑いながら私の様子を見ている志保。 居心地が悪い。 「素直になればいいのに」 「だから、私は!」 私は春兄が好きなのに。 あんな奴の事を気にするわけないでしょう。 それなのに、志保はどうして。 私になにを求めてるの? 「私が好きなのは、春兄だけ・・・」