「結芽ちゃん!!」 パアアッと明るくなる表情。 麻生くんは立ち上がり、周りにいる人たちになにやら声をかけると私のところに駆け寄ってきた。 「結芽ちゃん!どうしたの?僕の教室に来るなんて初めてじゃん」 「うん」 「よくわかったね」 「聞いたから」 「そっか」 なんでそんな嬉しそうなのよ。 わからない。 なにがそんなに嬉しいの? 「これ。屋上に落としてたから」 「あ、携帯!気づかなかった。ありがとう」 「別に」 なんでこんな素っ気ない態度しか取れないの、私。