「確かに、麻生くんって犬っぽいんだ!飼い主に懐いてる忠犬みたい!」

「ワンワン!なんつって」



楽しそうにはしゃいでいる声を片耳で聞きながらそのキーホルダーを眺める。




「それ、結芽ちゃんにあげる」

「・・・」

「僕だと思って持っててよ」




なんでそんな風に、まっすぐいられるんだろう。
少しだけ、羨ましいと思った。

ほんとに、少しだけ。




「・・・うん」

「お、結芽?」

「あ、あれ・・・?僕、てっきりいらないって投げ返されると思ってたんだけど」



私の反応に面食らった表情の二人。
私は、ポケットにしまっていた携帯を取り出しキーホルダーを取り付けた。