｢も、もしかして・・・初めてだったとか？」
そ、そうか。
それなら、大事にしたいのもわかる。
それは、申し訳ないと思うけど・・・。
｢あれは、事故だったんだから。ノーカウントでいいと私は・・・｣
｢そんなわけないじゃん」
あっさりと否定され、私は言葉を失う。
だったら、だったら、そんないつまでもそのことでグチグチ言わなくてもいいじゃん！
｢むしろ、僕はそのあとのビンタの方がグッと来たな｣
｢え！」
｢ビンタなんて、そうそうされることないじゃん。あ、そうだね。ファーストビンタだ｣
｢ふぁ・・・・｣
なにがファーストビンタだ！
根に持ってたのはそっちの方か。
私はがっくりと肩を落とす。
確かに初対面でビンタはなかった。
なかったと思うけど。
