「初めて会った日の事を覚えてる?」




初めて会った日。
入学式の日。


木の上でサボっていた臣を私が見つけて・・・。




「あの日、みゆにねプロポーズされたんだって聞かされた。それで、逃げてあそこにいたんだ」

「・・・そう」

「結芽ちゃんに会って・・・、最初は、確かにやけになってた。どうでもいいやって。結芽ちゃんを追いかけてたら、みゆの事忘れられるんじゃないかって・・・」




全て、ちゃんと聞こう。
全て、知って終わりたい。

溢れそうな涙を堪え臣の言葉を一言一句聞き逃さないように聞く。




「イルカを好きになったのは・・・、確かにみゆの影響だけど・・・。でも、あの場所に結芽ちゃんと行こうって思ったのは・・・、みゆとの思い出の場所だからじゃない」

「・・・」

「結芽ちゃんとなら、同じように楽しんで、同じように笑って、一緒に同じ視線で過ごせるかなって思ったから・・・」

「同じ・・・?」

「みゆとはできなかった事も・・・、結芽ちゃんとならできるかなって・・・」





みゆさんとできなかったこと。