夏休みの間、臣から連絡が来ることは結局なかった。



二学期の始業式。
朝、いつものところに臣はいなかった。
ああ、それが答えなんだとやけに冷静に思った。


諦めることには慣れている。




家族だって、恋だって、いつだって諦めて来たから。
臣のことだって、すぐに忘れる。






それでいい。





もう、これ以上傷つきたくなんてない。







「結芽、おはよ」

「あ、志保。おはよう」

「あれ、今日は臣くんと一緒じゃないの?」



靴箱で会った志保とあいさつを交わし、臣がいないことに首をかしげてる志保にあいまいに笑って答えた。




「なんか、あった?」

「・・・もういいの」




私は一言そう言うと、教室に急いだ。