「なんで?」 「私の前では臣は、いつだって背伸びをしてしまうから」 みゆの手が俺の頭を撫でる。 その心地いい温もりに、身をゆだねてしまいたくなる。 「結芽ちゃんといる時の臣の方が、臣らしいよ」 「そう、かな・・・」 どうして君は気づいてくれるんだろう。 俺が背伸びをしていたことも。 あの時、助けてと叫んでたことも。 そうして、俺をいつだって助けてくれる。 俺を、救ってくれるんだね。 「・・・それでも、僕は。いつだって背伸びをしていたいんだよ」 みゆの前では。