一度、臣だって春兄とみゆさんに会ってる。
それなのに、その時には臣はなにも言わなかった。


みゆさんだって。




なんで?




わからない。





ただ、わかるのは。






臣は、みゆさんを選んだってこと。








私の手を、放したんだってこと。








さっきまで、華やかだった心は一瞬にして暗闇に落ちていく。