「だから、なんであんたがここにいるのよ」




ちょっとトイレに行って戻ってきたら、志保の席の前の椅子に座り志保と仲良さげに話す麻生くんの姿。
回れ右して逃げ出したい気分。



「おかえり、結芽さん!」

「ここ、3年の教室よ?なに考えてるのよ」

「だって、結芽さんと話がしたかったから」



恥ずかしげもなくどうしてそう言うことが言えるのか。
そして、いつまで付きまとうつもりなの?




「結芽、少しくらい話をしてあげたら?可哀想じゃん」

「志保さん、優しい!」



目を輝かせて志保を見つめる。
私は深いため息を吐いて志保の隣の開いている椅子に腰かけた。




「一つだけ、どうして私に付きまとうわけ」

「だから、僕のくち・・・」

「それだけじゃないでしょ!」



全てを言い終わる前に割り込む。
忘れ去りたい過去なの!



「二人っきりになった時に教えてあげる」

「はあ?」