「私、ようやく春兄への気持ち、消せそうなの・・・。前向きになって、新しく踏み出せそうなの・・・」

「・・・そうか」

「だ、だから、今なら・・・。ちゃんと春兄として、接することができると思う」




確信が持てるの。
きっと、それは臣のおかげ。
私の心の中に臣がいてくれるから。



臣を、大切だと思う気持ちが生まれたから。





「家族に、戻ろう。春兄」





本当の家族ではないけれど。
本当のお兄ちゃんみたいな。



いつも、見守ってくれたのは春兄だから。





「結芽・・・」





なんて、ずるいかな。
それでも。
やっぱり私にとって春兄は特別だから。




完全に離れることなんて、できない。