私が欲しかったのは、こういうものだったんだって。
こんな、家族が欲しかった。



「本当にありがとう、臣」

「え?あ、いや・・・。僕は何も・・・。こっちこそ母さんがごめん。あの人、ほんと能天気っていうか、いっつもああだから・・・」

「ううん。すごく、嬉しかった。臣が、羨ましいって思った」




私がそう言うと、臣は私をまっすぐ見た。
その瞳はなにを考えているのかわからなくて。




「結芽ちゃん。これから、なにがあっても僕がいるから。辛くなったら一番に僕に教えて。どこにいても飛んでいくから」

「臣・・・」

「僕の気持ちに応えられないからって、遠慮なんてしないで。その方が傷つく。結芽ちゃんの抱き枕要因でいいからさ。僕を使ってよ」





そんな事、許されるの?
でも、臣は嘘はついてない。

私にまっすぐぶつかってくれてるのがわかるから。




「わかった・・・。辛くなったら臣に連絡する」

「うん。絶対だよ」





救われたのかな。
心が軽い。