臣を振り回して、突き放して傷付けた。





「私は一人でも平気なんだから!別に雨に濡れてたって、臣には関係ない!」

「それでも僕は、結芽ちゃんと関係したい!結芽ちゃんを一人にしたくない!」






臣の力強い腕が私を抱き締める。
傘は臣の手から落ちて地面にクルクルと転がった。

二人に降り注ぐ雨。



なんでだろう、一人より冷たくないや。





「っ、バカ!バカバカバカ!」

「ん。バカでいいよ。僕はバカだから。結芽ちゃんと一緒にいたいんだ」





そんなの、ダメだってわかってるのに。
こんな気持ちじゃ、臣の事を傷付けるだけだって思うのに。


それでもどうしてこの腕を振りほどけないんだろう。




孤独でもいいと思っていたのに。