これから先も、私はきっと臣を傷付ける。
だって、私は春兄の事が好きだから。




春兄が振り向いてくれることはないってわかってるけど。
でも、私は春兄を忘れられない。



そんな気持ちのまま臣といられないよ。




「臣は、もっと一緒にいて笑える人と一緒にいたほうがいいよ」

「なに言ってんの、結芽ちゃん」

「もう、臣とはいられない」




はっきりとそう告げる。
きっと、その方がよかったって臣も思う時が来る。

私みたいな可愛げもない、人を傷付けてばかりの私なんかより。




臣を幸せにしてくれる人がきっといる。






「じゃあね」




私はそう言うと松葉杖を拾い上げ身体を起こすと今度はゆっくりとした速度で進みだす。